長期運転資金を短期で借りていませんか?
まず「長期運転資金」についてですが、基本的には「資金繰りを安定させるための資金」というイメージで捉えていただければ分かりやすいかと思います。
資金需要には波がありますから、常に資金繰りが安定する為に、いくらかの「余裕資金」が必要になります。それはあくまでも余裕資金ですから、特別にそれを返すあてが有るというものではありません。
その資金調達の方法としていくつか方策があるかとは思いますが、その中でも多くは「銀行からの借入」によるものでしょう。借入金には、1年以内に返済する短期借入金と、1年を超えた長期間にわたって返済する長期借入金があります。
多くの企業では、資金を短期のものとして借入れ、期日が来たらいったん返済し、また新たに短期の借入をする借り換えを繰り返しています。長期借入よりも短期借入のほうが借入金の利率が低いので、借り換えによる短期借入金の実質的な長期借入金化を行なっているのです。
しかし、この短期借入金の借り換えには、資金繰りの上で問題があります。それは、銀行が常に借り換えに応じてくれるとは限らないということです。
現在は銀行の一方的な事情により、いつ借り換えを拒絶されるかわからない時代です。
貸し渋りどころか貸し剥しさえ行なわれているのが現状です。
短期借入金の借り換えにはリスクがあります。借り換えない場合でも、短期借入れではいっぺんに全額を返済しなければならず、その負担が大きいという問題があります。
一度に多額の返済をすると資金繰りが急速に悪化します。
短期借入金の口数が多い場合には、その管理や事務処理も大変です。